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設立趣旨

21世紀を迎え、我が国は「人」中心の経済社会へと新たな舵をきりつつある。すなわち「人」が能力をのびのびと発揮し、グローバルな活躍をし、その人を育てる環境をはぐくむことが、この高齢化社会を迎えた我々の責務である。そのためには、社会、経済、産業のあらゆる側面での構造改革と持続的発展の実現をめざした新たな産業と地域社会とアカデミズムの連携が必要である。

特に、自然と共生した社会システムを、環境に調和した技術によって実現していくことが、この美しい日本を次世代に引き継ぐための第一歩となる。さらに、循環型経済社会に向けた社会システムの再構築と産業技術の対応は、あらたな付加価値の創造と技術開発の活性化に結びつき、ここで培われた知識を発信することは新たなモデルとして世界に貢献することにつながる。
しかしながら、エコデザインは科学技術・産業のみならずわれわれの社会に直接、深く関わる問題である。また、今後のIT(情報技術)の一般社会への浸透と、そこにおけるIT産業と環境の関わりをどう扱うかは、エコデザインにとって大きな課題である。さらに、日本の製造拠点が急速に移行している中国やアジアとの関わりは、日本の製造技術の行く末を占う大きな動きとなるばかりではなく、環境問題の対応如何によっては我が国への直接的影響も懸念される。このような、広範な技術の新たな発展と多様化しつつある社会環境のもとに、保健福祉・環境保全の増進、国際協力などを行っていくには、既存の学協会や企業の単独の活動のみでは不充分である。また、市民コミュニティ、ベンチャー企業などまだ成熟していない個の参加が重要であると考えられる。

これらの背景をもとに、私共有志は、ここに、「特定非営利活動法人・エコデザイン推進機構」を設立し、市民コミュニティ、ベンチャー企業などの個の活動とアカデミア、産業界などとの連携により、エコデザイン・コンセプトを普及、推進することとした。その目的は、高度な技術と豊富な経験を有する多様な会員の相互の協力により、エコデザインに関する幅広い分野で、IT技術や中国・アジアの環境に関わる調査開発研究および教育普及活動、関連諸団体の運営・活動のサポート、プレベンチャー、人材の育成を行い、もって健全で豊な産業と社会の持続的発展、環境の保全、地域安全,国際協力等広く公益の増進に寄与しようとするものである。

平成14年5月1日
特定非営利活動法人エコデザイン推進機構
設立代表者 須賀 唯知